山口邸のリビング

口に入れるモノの拘りと血糖値


今まで別に身体の調子が良いかどうかを、気にしなくても良かったんですよ。

ボートレースのひと昔前は体重制限も今より軽かったです。ボートは体重が軽い方が有利だから、みんな減量しよったですね。食事制限の方法をグラムで考える人も多かったから、お菓子食べて空腹を満たしたり。僕はレース場の食堂の自由に取っていい菓子パンとか食いよったんすよ、以前は。そしたらノムさんに会ったあと最初に言われたのは、「剛、菓子パンやめようか?」って。

ノム
努力はみんな同じようにやっとる場合に、身体に入れるものを他の選手は拘っとんかな?という疑問が出てきて。剛をサポートするって決めてすぐ、まず1週間の食事をヒアリングをして、口から体内に入れるモノで変わると思ってるから。例えば、菓子パンとか血糖値が瞬間的に上がる物を摂取しなければ、血糖値をコントロールできるようになる。レース前だったら、それこそ「スタートだけで勝負したろう!」みたいな瞬間的なエネルギーにしかならないはずで。

結局、集中力も、スタート感も、動体視力も、身体に取り入れたもので良い状態に持っていけると思うんよね。レースの腕が他の選手と大差ないんだったら、口に入れるモノの差かなって。

剛が最初にノムに提出した食べ物リスト

ハルカ
血糖値は、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことです。生き物は糖や脂質などをエネルギー源とします。その中でも血糖値が上がりやすいのは、すぐエネルギーになりやすい炭水化物で。先ほどのノムさんの例えでいうと、菓子パンという炭水化物メインの食事をすることにより、血糖値がジェットコースターのように上がり、それを処理するために多量のインスリンが膵臓から分泌され、その後急下降するということが起きて、この変動の波が体に負担がかかり燃費も悪くなる。それを防ぐには、炭水化物(糖質)中心の食事を避け、食べ方も、炭水化物からではなくタンパク質や脂質からと順番を気にして血糖値を上げないようにすると血糖値の上下は穏やかです。

ハルカとノム

ノム
あと、血糖値が急激に上昇しやすい食べ物を数値化しているG1値って言うのがあって。白米、うどん、パンは高G1値。野菜でもジャガイモとか里芋、長芋、ニンジンは高G1値。でもブロッコリー、ピーマン、キノコは低G1値なんよ。果物で言ったらりんご、いちごは低G1値。低G1値オススメの甘味料はマヌカハニー。これは先日のSG前に渡したよね。低G1値として優秀な玄米専用の釜もおすすめしたらすぐ買ってたよね。

自分のイメージでは、血糖値が上がったらイライラして、下がったら落ち込むって感じかな。剛で言ったら、血糖値の急激な上下動は思考力、判断力、集中力、パフォーマンスの低下につながるから、緩やかな血糖値の波を維持することにより、安定したパフォーマンスを発揮できリラックスした状態を保てると思うんよね。

剛にヒアリング時、いつも摂取してた菓子パンとか偏った高G1値の食品を取らないことを提案して、それをこの3年間やってきたことが肉体的、精神的なコンディションと関係してる筈。血糖が操れたら感情をコントロールできるから。


本当に。まずレース場で機嫌が良いんですよ、最初から最後まで。ノムさんがいつも言ってるGOKIGEN状態。後輩とかにも、丸くなってるし話しかけやすいって言われる。あんま腹立つことが少なくなりましたね。昔はよく記者の人に当たってましたけど…。
気分が良くなって、自分がやるべきことをしっかりやるようになったんです。体調もいいので、動くじゃないですか。体が。じっとしとけれんから、これやった方が良いかな?と思ったら、すぐ実行できたりする。そしたら積み重ねの速度がたぶん上がってたんですよ。レース場で本とかばっか読んだりとか、眠たくなったら畳の上で休んだりしよったのが。眠たくないし動く活力があるから、ちょっとこれやってみよう、とかプロペラの調整や試したいことがあるから一周乗ってみようとか。

でもその小さな積み重ねは、活躍する人はちゃんと日頃からやっとるんですよ。それは僕知ってたんです。それをやってるのは知ってたけど、でもそこまでせんでも良いか、みたいな若干の甘えもあって。結局気分や体調が良いから、面倒臭く感じることが少ないんですよね。プロペラやチルトの角度を調整して、1周乗るぐらい。ボートや自分自身のコンディションを確かめることができる。トライアンドエラーをするのを、面倒臭がっていたのを段々するようになってったんですね。だから行動が変わって、積み重ねが変わって、気付かぬうちに。それが3年経ったら、結果として賞金獲得が…何倍ですか3倍になったんですか?今の時点で。

ノム
普通に菓子パン食って、ジュースやエナジードリンク飲んでレース挑む人とさ。良質な糖質、たんぱく質を摂取して、穏やかな血糖値の波に乗って、シュッと研ぎ澄ましてる人とさ。それだけで大きな差が出ると思う。


レース前に他の選手のことは見えますしね。レース以前に勝負はついてるんですよ。お菓子食ってる時点で「俺に勝てるか?」って密かに思ってます。

特注のカーボン製のヘルメット

重金属と反射神経の関係性

ハルカ
レースに挑む上で、最近特に意識し始めてることはありますか?


特に気をつけてるのは、先のことを絶対に考えないことですね。先も考えないし、後ろも考えない。昔はめちゃくちゃ考えてたんですよ。失敗した前回の反省や、次に何をすべきか想定し過ぎていて。

結局生きとる上で、在るのって今の連続じゃないですか。先のことばっか考えて今が疎かになったら、意味ないんですよ。結局繋がらないんですよ、理想の場所に。だったら先を考えてもしょうがないし。終わったことを憂いでもしょうがない。

例えば1着が続くと、優勝賞金が頭にチラつくし。どんどん欲が出て来よるんですよ。でも、そこを考えたら、ろくなことないですね。昔は優勝した時のインタビューで何言おうって考えてしまったり。まだ優勝戦にも行ってないのに。

だから目の前のことに真剣勝負せないけんので。だけど、勝つ気を全面に出すのではなく、柔軟にその時々に起きたことに対応できるようになってると思います。レース中でも。

ハルカ
肉体的な話ですが、反射神経の向上も効果が出てる筈です。

ノム
体内の重金属の蓄積量が少ないことが要因だろうね。主には水銀、ヒ素、アルミニウム、カドミウム等。それらが蓄積されることで身体に悪影響を及ぼす。例えば、大気中の汚染された排気ガス。他には土壌とか海水や加工食品に含まれていたり、プラスチック材やタバコの煙等に含有される重金属が、呼吸や皮膚を通して、知らず知らずに取り込まれる、現代はそんな生活をしている。

これらの重金属は、主に中枢神経(脳や脊椎)に溜まりやすくて。その結果、老化や疲労感、病気へのリスクが数倍に上がる。普通によく言われてるのがマグロとかさ。水銀めちゃくちゃ入ってて。妊婦は食べちゃダメって言われてる。胎児に影響が出るから、っていうんだったらみんなも食べちゃダメでしょ。

そういうものが中枢神経に溜まっていると、脳からの電気信号の送受信に支障をきたしている可能性がある。剛のハンドル握る操作が0.01秒良くなっとる理由はこのあたりにあると思うんよね。


その影響は絶対ありますね。毎日silencerしてるんで。

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